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自動車税の増税を安易に行うとメーカーが没個性化する

      2016/01/03

こんにちは。れーさんです。

消費税10%の実施されるタイミングで自動車所得税を廃止し、その代わりに燃費性能に応じた税金を自動車に課すようです。

今回は増税が自動車メーカーひいては日本経済に与える影響について考えてみます。

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自動車に重税を課すと白物家電化する

 

今この記事を読んでくださっている方は自動車に対してどのようなスタンスをお持ちですか?

 

  • 田舎だから一人一台持たなくてはいけない
  • 自動車何て動けばなんでもいい
  • 都会だから車は逆に邪魔になる
  • スポーツカー最高!
  • 高級車最高!

 

などなど様々な方がおられると思います。

 

そこであえて皆さんに聞いてみます。

「自動車の増税に対して反対ですか?賛成ですか?」

恐らく大半の方が「反対だ!」と言うと思います。自動車を持つ必要が無い方が賛成するくらいかな?まぁそんなもんだと思います。

 

環境問題は大事だが自動車メーカーの保護も考えるべき

 

そんな自動車にかかる税金ですが今回自民党の税制調査会の小委員会で見直しに向けた議論が開始されました。

 

 

 自民党税制調査会は28日の小委員会で、自動車課税の見直しに向けた議論を始めた。政府は消費税率が10%になる段階で、自動車取得税をなくす代わりに買った年の自動車税(保有税)に燃費性能に応じた加算をする案を示した。ハイブリッド車などは上乗せがない場合が多い一方、高級車は大幅な負担増になる。軽自動車税の増税幅は示されず、今後の焦点になる。

車を買うときに都道府県に納める自動車取得税は、消費税率が10%になる時点で廃止することが決定している。約2千億円の地方税収が失われる。

政府はこの穴埋めをするため、持ち主が納める自動車税と軽自動車税(いずれも地方税)に「燃費割」を上乗せする案を示した。自動車税は毎年支払うが、買った年にかぎって燃費割を加え、2年目以降は現行の排気量に応じた課税だけに戻るしくみだ。

燃費割の計算は、車の購入額(車両価格の9割)から基礎控除として100万円を引き去り、燃費値に応じて割り増しや割り引きをした後で5%をかける。たとえば、車両価格が1千万円で排気量3500cc、燃費が1リットルあたり10キロの高級車の場合、燃費割は40万円になる。排気量による現行の5万8千円に40万円が加算される計算だ。高級車の多い海外メーカーが反発することも予想される。

 

燃費の良い車や低価格車に有利になっており、小型車や軽自動車は上乗せがないケースも多い。取得税の代替財源を確保するとともに、取得税のエコカー減税が担ってきた環境対応車への買い替え促進という役割も引き継ぐ。

政府は燃費割により取得税の廃止で失われる約2千億円の地方税収のうち、約半分の1千億円程度を補いたい考えだ。残りの半分を補うため、総務省は税率が極端に低い軽自動車税を増税する案を示している。今後の議論の焦点としてなお残っている。

一方の自動車取得税。消費税率が8%に上がる来年4月には、自動車の環境性能に応じて減税する案が有力になってきた。自動車業界や経済産業省が求めていた原則5%の取得税を一律3%下げる案は、環境性能の劣る高級車への恩恵が大きすぎるとして後退している。

自民税調では、消費税8%時と10%時の自動車課税の見直しについて「連続性のある改革にすべきだ」との声が強い。8%時の取得税の見直しも、10%時の自動車税の見直しと同様に、環境に配慮したものにすべきだという発想だ。業界や経産省の要望より政府案に近い考え方といえる。

日経新聞より引用

 

この記事を要約すると

「ガソリンを使う量が少ない低燃費車の税金を軽くするよ!その代わりガソリンを沢山使う高級車やスポーツカーにもっと税金払ってもらうよ!」

というものです。

 

この記事を読んでもらってからもう一度冒頭の質問をします。

 

「自動車の増税に対して反対ですか?賛成ですか?」

 

今度は恐らく大半の人が「高級車やスポーツカーからなら増税してもいいんじゃない?」と思うはずです(笑)むしろ低燃費車に乗っている人は恩恵があるので「賛成だ!」となるかもしれませんね。

 

ですがこのまま増税を繰り返すと自動車メーカーの未来を潰すことになるかもしれません。

 

高級車やスポーツカーはメーカーのイメージとファンを作る

NISSAN-GTR

NISSAN-GTR

今現在各メーカーには以下の「フラグシップモデル」や「スポーツカー」などがラインナップされています。

 

  • トヨタなら「クラウンマジェスタ」
  • レクサスなら「LS」や「RC-F」
  • ニッサンなら「シーマ」や「GTR」
  • ホンダなら「レジェンド」や「シビック」
  • マツダなら「ロードスター」や「RXシリーズ」
  • スバルなら「WRX STI」
  • 三菱なら「ランサーエヴォリューション」

 

このように、どのメーカーもフラグシップ高級車やハイパフォーマンススポーツカーを取り揃えています。

 

「そこまで台数が出ないけど利益率が高いから作っている」というのもあるのですが、何よりメーカーが大事にしているのは恐らく「消費者の囲い込み」です。つまりメーカーに惚れこませるってことです。

 

車好きで少し趣味性の強い車に乗っている方なら分かると思うのですが、自分の選んだ車のメーカーって思い入れが凄く強くなって「次も同じメーカーの車にしようかな」って気持ちになりやすいんです。

それは各社の車に「個性」があるからなんですよね。

 

例えば、根強いファンがいることで知られているスバルは「水平対向エンジン」の低い重心や独特の排気音が好まれています。

一昔前のホンダであれば「V-TEC」という可変バルブを搭載したエンジンがユーザーを強く惹きつけていました。

ミツビシなら優れた4WD技術によりオフロードを好むユーザーに支持されています。

 

このように各社とも強いオリジナリティを出して他社との差別化を図ろうとしてきた歴史があります。その成果もあって海外でも日本のメーカーは凄くユーザーの心を掴んでいます。

 

更に高級車やスポーツカーはいわば「メーカーの技術の粋を結集させた工業製品」で技術力の向上にも一役買っています。燃費性能は悪いですが長い目で見れば大衆車が受ける恩恵は計り知れない物があるんです。

燃費性能だけを追求すると白物家電化する

冷蔵庫のイラスト

利益率の低い白物家電

このように自動車メーカーにとって「個性」や「消費者イメージ」というのは何よりも大事にしたい、しなければならないものだと思います。

しかし政府が推し進める「過度な燃費重視政策」はこのような「日本の自動車メーカーの個性」を潰す方向に動いていると言わざるを得ません。

 

というのも、この政策が実施された場合にメーカーが辿る未来は二通り考えられます。

  • 規制基準をクリアする燃費性能を持ったスポーツカーや高級車を開発する
  • とにかく燃費や使い勝手だけを追求した車の開発にシフトしていく

恐らくこの二通りしかありません。そして税が重くなればなるほど開発費のかからない後者を選択するメーカーが増えるでしょう。

 

実際にホンダが辿ってしまったのが後者の「とにかく燃費や使い勝手だけを追求した車の開発にシフトしていく」です。

確かにスポーツカーや高級車の開発には巨額の開発費がかかりますし、技術力も必要になってきます。新しいアイディアも要求されるでしょう。

 

ぶっちゃけメーカーからするとスポーツカーや高級車の開発を止めてしまったほうが楽だと思うんですよね。

 

でも実際にスポーツカーを作らなくなり、個性を捨ててしまったホンダはユーザー離れが進みました。技術力も下がりリコールを大量に出してしまっています。

そしてホンダは低燃費車やミニバンを「メーカーの売り」にし始めてから経営が急降下して低迷しています。

 

これは偏に「車を買うのにホンダである意味が無くなった」からなんですよね。

「燃費」や「広さ」だけを請求力にしてしまうと、似たような車を他社が出してきた場合に消費者の判定基準が「安さ」しか無くなってしまうんです。つまり冷蔵庫や洗濯機などの「白物家電」と同じ状態になります。

 

これはまさにバフェットが言う「コモディティ企業」の特徴なんです。

参考記事:コモディティ型企業と消費者独占型企業。投資家の命運を分ける条件。

 

 

今政府が推し進めている自動車に対する重税案は日本のメーカーを強制的に「コモディティ企業化」してしまう危険性があるのです。

もし日本の自動車メーカーが個性を失ってしまったら、濃い個性を持った外国の自動車メーカーの餌食になってしまうでしょう。

 

日本の主力産業の足を引っ張るのではなく保護してほしい

 

日本は輸出のかなりの割合を自動車が占めています。

そんな日本の主力産業である自動車メーカーを国をあげて保護するのではなく更に重い税金を課して追い詰めようとしているのは何故なのでしょうか?

 

環境問題や税金も当然無視できない問題ではありますが、どちらも「経済基盤」がしっかりしている上での課題だと思うのです。目先の目標ばかり追い求めていると経済はガタガタになってしまいます。投資と同じですね。

 

環境の保護を大義名分にして資本主義国家の原動力である経済活動を阻害するのはちょっと違うのではないか?

と私は思います。

 

スポーツカーや高級車を無暗に目の敵にするとメーカーの個性や技術力は失われていくでしょう。私は日本の自動車メーカーには元気に日本を引っ張っていってほしいのでそうならない事を願っています。

世界自動車メーカー どこが一番強いのか?


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